[多分ネタバレ注意]猫工船でカレー沢薫と作家の闇を深掘りする

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つい最近猫工船というマンガを買った。
以前から尊敬しているカレー沢薫先生の著作であるが、購入の決定打はツイッターで流れてきた「ミケ猫が群馬の山奥で強制労働させられて、FXで借金を背負うマンガ」という、読んだ方のざっくりしたあらすじである。
つぶやいた方は彼氏への説明として使っていて、彼氏から「なんかごめん」と言われていたのだが、その後大丈夫だったのだろうか。

それはさておき、なぜ猫がFXにハマるのか。多分、カレー沢先生自身が常々「FXで一山あてて楽な生活をしたい」と考えているのだろう。

実は私も、猫工船を読む前から「FXで一山あてたい」という野望を持っており、本を買ったり、FXができる証券口座を開設したりしたのだが、立て続けに「財産の損失」を意味する夢を見て諦めた経緯がある。私のご先祖様だか守護霊様だか無意識自我だかは仕事が早い。

ミケ(主人公の雄の三毛猫)がポンド一点買いでどんどん資金を溶かすのは、マンガといえども自キャラに裕福な生活はさせまいとするカレー沢先生の怨念が感じられて微笑ましい。

猫工船でちょっとお得だと思ったのは、「ニコニコはんしょくアクマ」の宣伝マンガがである「ギスギスへんしゅうコロス」が読めたこと。
なんと最後のコマがコピペという、週刊少年ジャンプ連載時に萩原一至がやらかした「見開き描き文字だけ(※単行本で修正されてた)」に匹敵する大技が炸裂している。
また、クレムリンの頃から読んでいる身としては、途中の自画像と思しき絵が非常に上達していて、涙を禁じ得ない。

この宣伝マンガの核は、実はそこではない。「作家は本が売れないと儲からない」という切実な叫びである。

知人のラノベ作家も言っていたが、仕事は辞められない、むしろ本業があるなら辞めないことを勧められるらしい。
原稿料だけではとても食べていけないからだ。本が売れなければマクドナルドでバイトしたほうがお金が貯まるんだそうである。

少し前にツイッターで流れてきた情報によると、本が売れても税金がとんでもないらしい。不労所得扱いなのである。売れた大体の冊数と、グラフのパーセントをかけてみたが、それが年に1度もないレベルだとすると、たしかに生活できない。
山村美紗女史は祖父譲りの株取引の知識で3000万円資金を作り、なおかつ不動産収入が入るところまで生活基盤を整えてから専業の作家になったと聞く。あれほどの作家でも、そこまでしなければ危険で専業などできなかったのである。
なんと因果な職業であろうか。

となると、カレー沢先生の「漫画家になれるセットを投げ捨てて公務員を目指せ」非常に正しい意見である。

なお、グラフィックデザイナーと言う職業がなにか、というと、そのまますくすく育つとアートディレクターというものになり、広告代理店からひっぱりだこで高収入が期待できる。最近で言えば佐藤可士和氏が筆頭であるが、これもその域まで行けるのは数パーセントもない。

会社に所属することも、フリーで稼ぐこともできるが、一般的に大儲けは無理である。
カレー沢先生がそのままグラフィックデザイナーを目指したとしても、いずれ茨の道ではあった。いまだに徒弟制度だしね…。

作家は本が売れないと生活できない、は大前提であるが、多くの作家さんは「買って読んで」と仰っている。非常に真面目である。がんばって完成させた作品、買ったからには読んでほしいというのは分かり過ぎるぐらいの作家心?である。

その点、この宣伝マンがには「読まなくてもいいから本を買え」という、ある意味潔い本音が溢れている。カレー沢薫以外がやったら炎上必至だが、信者は「これぞカレー沢薫!」と喜んで身悶える。
高須先生が「サイバラはちょっとお金に困ってる方が面白いから助けない」と言っていたが、なるほど、その通りだと思った。

さて、「ニァイズ 東京都写真美術館ニュース別冊~『クレムリン』出張版」を買ってしまった程度に信者ではあるが、所詮カレー沢薫の信者、しかもかなりランクが下の方、である。そこそこ貧乏なので、そんなに何でもかんでも買う予算はない。いつかは買いたいのだが、すぐに買うわけにもいかないのだ。

ナゼかというと、うちには先生いうところの「おキャット様」が2匹いらっしゃるので、どうしてもおキャット様が優先になってしまうのである。
お詫びに「猫工船フォトコンテスト」という、カレー沢先生が大量の猫を眺めてニマニマするだけのツイッターハッシュタグに度々猫写真を流すので、先生にはそれで許してもらいたい。

願わくば、ミケの飼い主のおばあちゃんのような石油王がファンになってくれて、先生の著作を根こそぎ買い占めてくれますように。

今気づいたのだが、カレー沢先生と作家業の闇ばかりで「ニコニコはんしょくアクマ」がどういうマンガか全くわからない。まさに「内容なんか関係ない、本を買え」である。すごい。

何を書いているのかよくわからなくなってきたが、とにかくカレー沢薫はすごい
下級信者としては、カレー沢先生が定年前に左うちわな生活ができるよう、地道に活動していくほかはない。

というわけで、最後に、大量にamazonアフィリエイトを張っておくので、ぜひここから購入してカレー沢先生(と私)の懐を潤してほしい。