「べこもち×デコもちコラボセミナー」に行ってきました

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『べこもち』をご存知でしょうか。

青森県下北半島で、端午の節句や冠婚葬祭に食べられる、米粉を使った甘いお菓子なのですが、いわば金太郎飴のように、断面に美しい模様が施されています。

今回、「楽習フォーラム」の方に誘われて、レジェンド先生から教えていただけるという特別な認定講座の取材に行ってきました。

デコもち認定講座

会場は渋谷区恵比寿にある「楽習フォーラム」さんのセミナールーム。

運営会社はオールアバウトライフワークスという会社で、ざっくりいうと「講師の育成」をされている会社です。

手芸の他にデコずしといった食分野の講師も育成していて、そのなかのコンテンツのひとつに「デコもち」があります。

今回はその「デコもち講座」を一通り終了した先生方が対象で、下北半島の大畑町から、今ではたったお二人となった「べこもち」の先生をお迎えして、伝統の柄を教えていただき、自分の教室で教えるための認定証をもらう、というセミナーです。

左:田向さん、中:畑中さん、右:菱倉社長

開催の挨拶。左:田向さん、中:畑中さん、右:菱倉社長

オールアバウト ライフワークスの菱倉社長から、レジェンド先生の紹介と、簡単な挨拶がありました。

画像左側、並んでいらっしゃる先生お二人の左側が田向さん、右側が畑中さん。「大畑町こぶし生活改善グループ」に所属していらっしゃって、ふだんはそちらで教えていらっしゃるそうです。

他人に教えるほどの技術をもつ方は、もうこのお二人しかいらっしゃらないとか。まさにレジェンド。

今回はむつ市との共催ということで、担当の山中さんからもご挨拶いただきました。

さて、先生方はこの日の昼過ぎの新幹線で帰るということで、あまり時間がありません。さっそく実演が始まります。


生徒さんの方の机には事前に材料が揃えてあるのですが、まず先生の実演を見てからの制作になるので、全員で集まって手元を見つめます。

最初は木に咲いた梅の花の模様。木の部分をコーヒー、他の部分をそれぞれの色の食紅で着色して、花の部分、つぼみの部分、と分けて作っていきます。

説明をしながら、物凄い早さでシュッシュッと部品ができていきます。すごく簡単に丸めたり切ったりくっつけたりしているんですが、これ、レジェンドだからこその技で、この後生徒さんたちは四苦八苦してました…。

部品ができたら組み立てていきます。

米粉と砂糖を練ったものなので、粘土のように整形したり切ったりできます。

一番左は、花の周囲に巻きつける白い部品をカットしているところですね。すごく簡単にサクサク同じ厚さに切って、部品に巻き付けていきます。

右側が組み立て終わった直後なのですが、この状態だと、まだすごく大きい!

レジェンド先生の手元を食い入るように見つめる生徒さんたち

一番左は、レジェンド先生と協力して「切ったら絵が出る小さなべこもち」というレシピ本を制作した秋山直美先生です。今回は午後の講習で秋山先生レシピの「デコもち」も制作します。

べこもちの「べこ」は牛から来ていて、山型に丸めた形が牛の背に似ているから、という説もあるんですが、この時点ではまだ全く丸くないですね。

レジェンド先生の実演もいよいよ佳境。

組み上がったばかりでは巨大だったべこもちが、周囲にキレイに白い部分をつけて、手でキュッキュッと伸ばしていくと、あら不思議! 半分以下に!!

わかりやすいように円をつけてみましたが、大きさの違い、実感できますでしょうか。

「(商売で)ロスが出ないように取る(キレイな模様の部分を切り出す)には、白い部分を少し短めにつけて、そして伸ばす」んだそうです。そうすると端に余分がでないので、ロスがすくないんだとか。

この後作る別の模様は、その端の切り落としを新しくこね直してつくるそうです。徹底的に無駄がありませんね。

好みの大きさに伸ばして、まな板にコロコロ転がして背中側をキレイに整えたら出来上がり!

切れ目から模様が現れると、歓声があがりました。ほんとすごい!

引き伸ばすのには器具を全く使いません。手で少しずつ伸ばして、ある程度伸びたら端を軽く押さえてもらい、反対側を持ってちょっとずつ引っ張るとすーっと伸びます。

魔法みたいでした。

実演後、先生に教わりながら自分たちでも「梅の花」を作る生徒の皆さん。

元が講師の先生なので、みなさんそれぞれの美しい「梅の花」を作ってらっしゃいました。自分の作ったものがキレイに花になっているのを確認して歓声が!

そばで見ていたんですけど、これほんと、ものすごく難しいと思いました。

先生方はスルスル作っていくんですけどね…。木をどう置けばいいかとか花の向きとか、まとめた生地の伸ばし方とか、実際にやってみるとなかなかうまくいかないんです。

講師の方ですらその有様、私みたいな素人はいきなり梅の花は無理だなあ、と思いました。

べこもちは、最終的には1~2cmの厚さに切って、10分ほど蒸して食べるのですが、今回は整形までで、塊のまま持ち帰りになりました。

右上が、梅の花の切れ端を再構成して作った縄。これがまた模様の組み方が変わっておりまして…。眼の前で見ていたのに思い出せないです。

「縄」は私にも見覚えがあるほどスタンダードな模様なんですが、思ったより複雑な組み方でした。

実は私の身内が大畑町出身でして、べこもち講座の立ち上げ当時、担当の方にそんな話をしていたんです。それを覚えていて頂いたそうで、ものすごくライトに「そういえば下北から先生が来るから、見学においでよ!」と誘われたんです。

現地に着いて驚きました。めっちゃしっかりした講座じゃないですか…!!

私、県人会とか入っておらず、東京で大畑の方に会うのはすごく珍しいことだったので、うっかり見学に参加しちゃったのですが、ホント不審者でごめんなさい…。

しかも出身なのは身内なので、私自身は別の町の出身ですし。

ただ、偶然にもむつ市の広報の方が私と同郷でした。これもちょっと驚きでした。まさか中学校の後輩まで居るとは…!

(※中学校はひとつしかないので自動的に後輩)

今回の講座はかなり特別だそうで、楽習フォーラムさんでの講習会はもうしばらく開催されないそうです。

興味のある場合は、楽習フォーラム「講座紹介」の左側のメニュー「教室で学ぶ」「自宅で学ぶ」から、教室や通信講座を選んでいただけます。

レジェンド先生は来年4月末のホビーショーで簡単な講座を開催されるそうなので、そちらをチェックするのもいいかも。

皆様、今回は本当にありがとうございました。