「怪談作家さんに直接怪談をしてもらえる会」に行ってきました

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郷内心瞳」という怪談作家さんをご存知でしょうか。今夏、第一作の「怪談始末」がドラマ化され、一気に知名度が上がりました。

郷内先生は、ファンの間では別な方向でも有名です。なんと、現役の「拝み屋」なのです。

今回は、熱烈なファンである友人と一緒に、怪談を目当てにお会いしてきました。

郷内先生の経歴を簡単に説明すると、現役の拝み屋として仕事を続けながら、2013年に怪談雑誌「幽」の実話怪談コンテストで大賞に選ばれました。

実話怪談というのはネタの収集が難しく、賞をとっても寡作になる方が多いのですが、圧倒的な量と筆力で、現在までに7作ほど、本を上梓されています。

今夏はその第一作である「怪談始末」がドラマ化されて話題になりました。

“本物の拝み屋”郷内心瞳が描く『怪談実話』を元に、あの『ほんとにあった怖い話』シリーズの“産みの親”脚本家・小中千昭が挑む、徹底的に怖さにこだわった怪談実話ドラマ

で、そんな人気作家さんの「対面で怪談会」がなんで実現できたかと言うと、じつは郷内先生、本業で度々東京まで出稼ぎにいらしてるんですよね。

この出稼ぎ、じつは「心霊相談」「拝んでほしい相談」だけじゃなくて、単純に「怪談を聞きたい」というのでも受けていただけるんです。

なにそれ、めっちゃ心広い!

というわけで、先生の作品に心酔している友人に誘われて、作品中にも出てくる「新宿の喫茶店」まで、怪談を聞きに伺いました。

予約をして、直前ぐらいに電話で確認(前が詰まってることがあるため)してから喫茶店にはいると、ごく普通にいらっしゃいました(当たり前)。

和服ではなく白シャツで、知らなければデザイナーとか、なんらかのクリエイティブ職に見えます。簡単な挨拶のあと、聞きたい怪談の傾向を相談して、さっそく話に入ります。

友人は作品のその後が気になるタイプで、そのへんを中心に質問したのですが、次作に関連した部分が多く、話すことは出来ないとの事。

そのかわり、次作の発売時期とか、どの話と関連してるか、というのを教えていただいて、ホクホクしてましたw

「怪談会」とは言うものの、喫茶店の4人がけの席で、目の前に作家さんが座ってる、というだけで、友人と雑談しているような感じが強かったです。

繰り出される質問や要求にポンポン応えていただいたし、大人数を集めての怪談会とはかなり趣向が違ってて不思議な感じがしました。

友人が今回聞きたかったことの一つが「自分になにか憑いているのではないか」ということで、ひとしきり怖い話を聞いた後、質問していました。

憧れの作家さんを目の前にしてすごく良い血色でニコニコしている状態で、素人目にも憑いてるわけないんじゃないかな、と思ったのですが、そのとおり、プロから見ても憑いてませんでしたw

ただそれはキチンと理由がありました。

「本当に憑いていたら、まずそういう質問ができないし、そもそもこの場に来られない。なぜなら、自分から『普通じゃない状態』だということを白状することになって、『憑いてる』存在に都合が悪いから」
「憑かれてる本人は、傍から見てどれほど異常な状態でも『大丈夫、問題ない』と言い張る。だから、ご家族に連れてこられる人も多い。本人が異常を感じて予約をとっても、ドタキャンで会えなかったりすることも多い」

そういえば、別の作家さんの怪談やまとめサイトで、そんな話を何度か読みましたっけ…。

自分に脅威となる人物や場所のところに、どうしてもたどり着けないように邪魔をする、というエピソード。業界的には「よくある」んですね…。

ふと思い出したのが、まとめサイトの「友人が家から出られないと泣くので様子を見に行ったら、家の中をぐるぐる回っていた。病院に連れて行ったら、脳に病気が見つかった」という話。

「自分から異常に気づいて助けを求めて、助けに行った人も普通に会えた」わけで、結果として病気で、早めに治療ができたおかげでちゃんと治ったらしいのですが、オカルト由来なら、会えなかったんでしょうかね…。

そういえば、細かい怪異を語っていただいている中で、飼っている猫さんの話がちょっと面白かったです。

猫が一緒にいるその場で起こった怪異があったんですが、その時全く反応しなかったんだとか。

全く気にしないのかというとそうではなくて、家相とか良縁祈願とか、問題ない依頼の時は仕事部屋まで来てお客様に愛想よくしたりするのに、ガチの憑き物とか、そういうヤバめの依頼の時は全く来ないんだそうで。

話を聞いてるこっちからすればめっちゃ怪異なのに平気でいるあたり、さすが拝み屋さんに縁のある猫さんです。

ウチの猫なら攻撃するか唸るかじゃないかな…。

私の希望は「本職が怪談している最中に『ばけたん』でチェックしてみたい」で、これも快くOKがでました。というか先生、『ばけたん』を知ってましたw

赤だったらどうしようとワクワクしながらチェックした結果、水色でした。そらそうですよね…拝み屋さんの目の前ですから。

どういう状況でどういう色になるのか質問があったので「赤がヤバイ霊、青がいい霊」らしい、と説明のうえ、「休日出勤中に真っ赤でビービー鳴り続けて分解した」話と、「御朱印巡りのお寺ではだいたい水色で、敷地をでると緑になる」という話をしました。

今更ですけど、真っ赤でビービー警戒音が止まらないっていうことは、なにかヤバイ存在がいたとか、ヤバイことが近辺で起きてた可能性があったわけで、分解して止まったから、とそのまま仕事してた自分もどうかと思いました。

ばけたん』は地震にも反応する、というウワサがあります。地磁気の乱れを計測して反応しているのではないかと。あくまでもウワサですけどね。

ジョークグッズですけど、なかなか不思議な代物です。

あっというまに時間が過ぎ、最後にとびっきり怖い話と、ご友人の笑えるエピソードを伺って、お開きになりました。

怪談に限らず執筆まわりの色んな話が聞けて、とても楽しかったです。ちゃっかりサインもいただきました。

今回、話を伺って思ったのは「郷内先生の本質はクリエイターなんだな」という事でした。

『来るべき災禍』の「桐島加奈江」のエピソードを読んで思ったんですが、あの「現実ではない町で楽しく過ごした」あたり、作家さんなら「空想や妄想」で同じように作り上げてる事なんじゃないかなぁ、って。

郷内先生の場合、それが心霊現象として生活を侵食しちゃったわけですけども…。

先生が作家になるためには「拝み屋」という仕事と居場所が必須であったとは思うのですが、もし真っ直ぐに作家を目指せていたらどうなったんだろうな、と思いました。

怪談じゃなくて、別の形で著作を見ることになったのかも。

来年、また色々作品の発表や諸々あるそうで、楽しみです。

郷内先生、ありがとうございました。